「あらすじ」
今から1000年前、界は5つ存在した。それぞれの界は、聖界・天界・人間界・邪界・魔界と呼ばれており、平和が続いていた。しかし
・・・、最近邪界に不穏な動きがあり、界が隣同士である聖界に住む人々は警戒を強めていた・・・。

「界に住む人々の特徴」
聖界に住む人の特徴は目が金色で、友好的であり、仲が良い天界よりも戦闘能力に優れている。

天界は聖界よりは戦闘能力が劣るものの、聖界より友好的である。

人間界は聖界・天界・邪界・魔界から引き離されている世界で知力に優れた人々が住んでいる、聖界や天界のように特別な力は無いが極た
まに特別な力を持つ者が生まれる時がある。

邪界に住む者は聖界に住む天使と渡り合えるほどの戦闘能力を持つが、攻撃的であり怒らせると手がつけられない。

魔界に住む者は邪界と仲が良く、戦闘が大好きな者が多い。


「ラファエルの回想」
私は昔、1人で孤独に過ごしていた・・・何百、何千年過ぎても誰からも声を掛けてもらえず、ただ日が過ぎるのを待っていただけだった
・・・だがある日、1人の少女が私に声を掛けてくれた・・・その少女は白くて長い綺麗な髪を持っていて目は空をイメージした水色を持
っていた。その少女はその時に会って以来、毎日私のところに来ては笑顔でいろいろな話をしてくれた・・・私はある日、「君は絶対に護
る、命を懸けても絶対に護ってやる」とその少女に言った、私は馬鹿にされるんじゃないかと思ったが、少女は「約束だよ?」と言って微
笑んでくれた。しばらくして少女の名前がわかり、「アウル」と言う名前とわかった。その頃から私の周りには大勢の仲間達が集まって来
てくれていた、私はこの少女のおかげでここまで仲間が出来たのだと心の中で思っていた。しかし不思議なことにアウルはいつも私が誰か
と話しているときは姿を現さなかった、私はそのことを気にしてたがあえて話さなかった。それからしばらくしてアウルは「これからしば
らく会えないけど、私はいつもあなたのそばに居るからね」と微笑んで言って別れるとそれからはまったく姿を現さなくなった。私はしば
らくアウルの姿を探していたが何日経っても見つけることは出来なかった。そして現在・・・今では私は聖界の防衛部隊に加わり、昔から
の幼なじみのガブリエルと一緒に聖界で過ごしている。

「物語」
聖界:首都オーレッド・聖界の軍に付属している天使が住む住宅地
どこかの部屋の扉を叩きながら見た目は16歳ぐらいの黄色い長い髪の少女が部屋の中に向かって叫ぶ。
???<ラファエル〜!早く起きないと軍の会議に遅れるよ!
部屋の中のベッドでは見た目は17歳の男性で髪は少し長めの白い髪の少年がぐっすりと寝ている。
ラファエル<ん?・・・もうそんな時間か・・・わかった、今行く!
眠そうな表情のままベッドから起き上がり、白く長いマントを着て部屋から出て行く。
ラファエル<すまないな、わざわざ起こしに来てくれて
???<別に私はだいじょぶだよ。最近邪界についての軍の会議で忙しいから眠くなるのも仕方がないよ
そう言って少女は微笑む。
ラファエル<よし、じゃあ行くか?ガブリエル?
ガブリエル<うん!
2人は軍の会議が行われている施設へと向かう。
会議室の扉が開かれ、ラファエルとガブリエルが入ってくる。
ラファエル<すいません、遅れました
???<よし、これで全員そろったな、ラファエル、ガブリエル君、早く席に着きたまえ
2人は隣同士の席で座る
???<今回は神様がいないので私、レイラッドが代わりを勤める
見た目は35歳で髪は黒色の男性が集まっている聖天使に向かって言う。
レイラッド<では、邪界の不穏な動きに対しての会議をはじめる。ではバートレット君
するとラファエル達から見て左側の席に着いている見た目は26歳で髪は茶色い短髪の男性が立ちあがる。
バートレット<はい、先日、私の部下が発見したようですが、また我々の聖界の領土近くに邪界の部隊が集まっていたようです、しかし数
日経つとその部隊は撤退したとのことですが・・・
レイラッド<ふむ・・・皆、これをどう思う?
ラファエルはそれを聞くと立ち上がる。
ラファエル<はい・・・今の邪界の動きはまったくわかりませんが、万が一を備えていつでも迎撃できるようにこちらの部隊を整えておく
必要があると思います
レイラッド<なるほど、戦争の危険性があると申すな?
ラファエルはコクンとうなづく。
聖天使<しかし・・・
と反論する者が1人、ラファエルから見て右斜めの席の者が立ちあがってそう言う。
聖天使<今までずっと平和を保っていたんです、それなのに戦争の準備をこちらがしてしまっては邪界のやつらに火に油を注ぐようなもの
ですよ?
レイラッド<・・・まだ決まりとは言っておらん
聖天使<す・・・すみません・・・
レイラッド<ふむ、まぁよい、3人とも座って良いぞ
ゆっくりと3人は自分の席に座る。
レイラッド<・・・よし、では引き続き、もう少し邪界の様子を見るとしよう。今日の会議はここまで、解散!!
会議室にいる者達が次々と出て行く。
ガブリエル<・・・結局今日もあまり進歩なしって感じだね〜
会議室を出てしばらく歩いているとガブリエルが話しかける。
ラファエル<そうだな・・・私の部隊だけでも準備をしておくとしよう
ガブリエル<・・・私も出来るだけ手伝うから
と言って微笑む。
ラファエル<ありがとう
???<さっきの会議、私も賛成だ・・・
ラファエルとガブリエルは後ろを振り返ると見た目は17歳、髪は金髪の短髪の男性が1人立っている。
ラファエル・ガブリエル<?・・・
???<・・・失礼、私の名はミカエル。先のほどの意見、私も賛成です、私の部隊も君達に協力させてもらいたい、いいですか?
ラファエル<ありがとうございます、感謝します。私の名はラファエル、彼女はガブリエルです
ガブリエル<はじめまして
微笑んでお辞儀をして挨拶する。
ラファエル達はその場でしばらくミカエルと話すとミカエルと別れ、家へと帰る道を歩いていく。
ガブリエル<協力してくれる人が増えてよかったね、ラファエル
家に向かっている途中で笑顔で話しかける。
ラファエル<少しでも信じてくれる人が居た方が安心するからな
ガブリエル<じゃあ、また明日!
手を振っているガブリエルに少し手を振り返し、ガブリエルと別れる。
別れてしばらくたった後、ラファエルの家で・・・
ラファエル<・・・明日にでも私の軍を鍛えなければ・・・なにかがあってからでは遅いからな・・・
とベッドに横になりながらそう呟く。
そして次の日の朝・・・
ガブリエル<ラファエル起きて!大変だよ!
なぜかガブリエルは部屋の中に入っている、どうやら部屋の鍵が開いていたようだ。
ラファエル<?・・・どうしたんだ?ガブリエル?こんな朝早く・・・
ガブリエル<これ、今日の記事、ラファエルの予想通り聖界と邪界の戦争が始まっちゃった!
ラファエル<なに!?
ガブリエルからエルフが作った小型の機械を取り、ボタンを押すと文字が浮き出てくる。ラファエルはその文字を真剣な表情で読む。
ラファエル<半日で聖界の端の街、ブロンシュが占領された!?
ガブリエル<今はだいぶ落ち着いてきたけど、いつまた侵攻してくるかわからない状態みたいだよ?
ラファエル<ひとまず会議室に急ごう!・・・
ガブリエル<うん、そうだね!
急いで家を出て会議室に向かう。しかし、会議室に向かう途中で
ガブリエル<!・・・
壁に寄りかかり、座り込む。
ラファエル<!・・・どうした!?大丈夫か!?
ガブリエル<だ・・・だいじょぶ・・・!・・・うぅ・・・くぅぅ・・・
苦しそうに胸元を押さえている。そっとラファエルは近寄り、ガブリエルの背中に手をおく、すると手のひらから白い光が発する。
ラファエル<・・・{体には異常はない、いったいどうしたんだ?}
そのときに近くのスピーカーから戦争の放送が流れる。
放送者<たった今、邪界の軍が侵攻を再び開始した模様、なお、ブロンシュの街の中心に死命の樹が生えた模様です。近くの街に住んでい
る人はすぐに非難してください。繰り返します・・・
ラファエル<死命の樹だと!?何年も前に絶滅したと言われていたが・・・本当なんだろうか?
ガブリエル<ほんとうだよ、神様が言って・・・たから
ラファエル<!・・・まさかお前が苦しんでいる理由は!?
ガブリエル<・・・ある日・・・ね・・・神様に呼ばれて行ってみたら・・・もし戦争が始まってどこから侵攻してきて生命の樹を何処か
ら狙ってくるかわからないから・・・それを護る為にって・・・
ラファエル<ガブリエルをレーダーの役割としてその力を与えたのか・・・
ガブリエル<ち・・・違うよ・・・私は・・・うぅ・・・くっ、う・・・
喋ることができないくらい、苦しいようだ。彼女は痛みで震えたまま動かない。
ラファエル<ガブリエル!・・・くそ、このままじゃ・・・死命の樹が原因なんだな・・・ならば・・・
一瞬ラファエルの金色の目に模様が入ったように見えたが、すぐにその模様が消え、ブロンシュの街がある方向に向いて指をならす。
一方、聖界軍:前線基地
司令長官<だから何度も言っている通り、やつらは宣戦布告したんですよ!我々、聖界に!
そこに突然とてつもない爆発音が外から鳴り響いてくる。
司令長官<なんだ、今の爆発音は!?
そこに急いで入ってくる天使が一人
聖天使A<司令官!死命の樹が燃えています!
司令長官<なに!?
急いで外に出る。
司令長官<あれほどの大きさの樹を燃やすことができるとは・・・何者だ?
聖天使A<「神の熱」と言われているラファエル殿なら可能かと・・・
司令長官<だが、ラファエル殿がいるのはここから遥か彼方のオーレッドにいるんだぞ!?そんな遠くからできるものなのか?
司令長官は部下の天使とともにその場で立ちすくんでしまった。
邪界軍:侵攻第1大隊
大隊長<死命の樹が!・・・くそ、ひとまず撤退だ!全軍に伝えろ!
悪魔A<はっ!
生き残った邪界の部隊が撤退して行く。
その頃、聖界の首都:オーレッドでは
ラファエル<・・・・・{撤退したか?・・・}
金色の目をブロンシュの街がある方向に向け、指を鳴らす準備をしたまま心の中で呟く。
ラファエル<{幸いすぐに撤退してくれたから助かったな・・・これほどの距離だ、魔力もかなり消耗する・・・}
一息すると心の中で呟く。
ラファエル<ガブリエル、大丈夫か?
ガブリエル<う・・・ん、だいぶ・・・痛みが引いたみたい
しかしまだ痛みがあるのか、胸元を押さえている。
ラファエル<・・・立てるか?
ガブリエルに手を差し伸べる。
ガブリエル<う・・・うん
胸元を押さえている手の右手で手を取り、立ちあがる。
ミカエル<ラファエルとガブリエルじゃないか?
そこへミカエルが丁度通りかかった。
ラファエル<ミカエルか、来た方向からして会議はもう終わってしまったのか?
ミカエル<ああ、ブロンシュにいる市民がほぼ全滅したそうだ、ただちに出陣できる部隊は侵攻してくる邪界の軍の迎撃をするようにだと
さ、今はバートレット殿の軍が迎撃に向かっている。・・・ん?ガブリエルは気分でも悪いのか?
ガブリエル<あ・・・うん・・・ちょっとね・・・
弱々しく返事を返す。
ラファエル<・・・じゃあ今日の会議はここまでなんだな?
ミカエル<ああ、明日の朝にまた会議があるそうだ。
ラファエル<わかった、ありがとう
そう言ってミカエルと別れる。
ラファエル<ガブリエル、今日は私の家に泊まった方がいい。その方が安全だ
ガブリエル<・・・ありがとう・・・そうするね・・・
そして次の日。
ラファエル<む?いかん・・・寝過ごしたか?
急いでベッドから起きあがり、窓の方に目をやる。
ラファエル<よかった・・・まだ、夜は明けていないようだな
安心した後、ベッドに寝ているガブリエルの方に目を向ける。昨日の苦しそうな表情はしておらず、安らかに寝ているようだ。
ラファエル<{今起こすのはやめておくか・・・しかし、ガブリエルのあの力・・・神様自体嫌っていたはず、それなのにどうして?・・・}
ガブリエルを見ながら真剣な表情で考え込んでいるとそこへラファエルの家の扉を強く叩く音が聞こえてくる。
ラファエル<!・・・こんな時間にだれだ?
急いでマントを着て外に出る。そこには見た目は10歳で、黒く長い髪を持った少女が1人立っている。
ラファエル<・・・ライエル!?
ライエル<約束の日だよ、戦ってくれるんでしょ!
ラファエル<すまないが、今日は日が・・・
ライエル<悪いから・・・なんて言わせないよ!・・・さ、行こう!
ラファエル<お、おいおい!?
ラファエルの言葉を無視してラファエルの腕をつかみ、二本の翼を出して飛んでいく。つれて行かれる瞬間、ラファエルが魔法で紙に用事
を書いて部屋に飛ばした。ラファエル達はしばらく飛んでいると都から離れた場所で降りる。
ラファエル<・・・本当に戦うのか?
ライエル<うん、今回は負けないからね!この火薬が爆発したらスタートだよ!あと心綱を使うのはなし!
ラファエルはやれやれと頭をかきながら爆発を待っていると次の瞬間、火薬が爆発する。
ライエル<行くよ!
ライエルが剣を手のひらから出して構えた瞬間、指を鳴らす音が響く。
ライエル<!・・・わぁっ!
急いで身をかわすとライエルがいた所の空間が熱で歪んだかと思うと炎が現れる。
ラファエル<兵は拙速を貴ぶ・・・戦は早く攻め、相手に攻撃の隙を与えてはならないと言う事だ・・・
ライエル<!・・・わかってるよ!それぐらい!・・・きゃあ!?
さきほどよりより近で焔が燃え上がる。急いでその場から離れるが少し炎にやられたのか、左腕を押さえている。
ライエル<くっ・・・う・・・{す、すごい熱・・・直撃を食らったらやけどじゃすまない}
押さえている左腕の焦げている服を見て心の中でつぶやく。
ラファエル<まだやるか?ライエル?・・・勝負は見えているぞ
ライエル<う・・・うるさい!・・・あっ!
ライエルが炎に包まれ、姿が見えなくなる。
ラファエル<怒らせてこれを乱せ・・・敵の挑発に乗ってはいけないと何度も言ったろ?
燃えあがる炎を見ながら呟く。しかし次の瞬間、ラファエルの後ろの煙の中からライエルが飛び出す。
サマエル<このぉっ!
ラファエル<!・・・
一方、その頃ラファエルの家では・・・
ガブリエル<う・・・ん、あれ?ラファエル?
眠そうな目をこすりながら起きあがる、部屋のテーブルに目をやると紙が置いてあったので魔法で手紙を手元まで持ってきてそれを読む。
ガブリエル<・・・ふふっ、それでか
少し笑みを浮かべて帰りを待つ。
その頃、都の外れで・・・
ラファエル<くっ・・・しまった!
ライエル<はぁ・・・はぁ・・・兵は詭道なり、やられたと見せ掛けて討ち取ることも大切でしょ?・・・今回は私の勝ちだね?
ラファエルの首元に剣の刃を収めたまま呟く。
ラファエル<ふぅ・・・そうだな
しかし、ラファエルの服は戦ったのかどうかわからないほど汚れていない、それにくらべてサマエルの服はあちこちに穴が開いていて、
ボロボロの状態だ。
ラファエル<帰りは1人で大丈夫か?
サマエル<!・・・そこまでやられてないよ、1人で帰れる
ラファエル<そうか・・・じゃあ、また今度な
笑みを浮かべて六本の翼を出し飛んでいく。
聖界:首都オーレッド(軍の住宅地)
ラファエルは六本の翼を閉まってゆっくりと地上に降り立つ。
ラファエル<ふぅ・・・
自分の部屋の前に辿り着き、ゆっくりとドアを開ける。
ガブリエル<おかえり
帰ってきたラファエルに微笑んで出迎える。
ラファエル<!・・・ガブリエル・・・もう身体は大丈夫なのか?
ガブリエル<うん!痛みも取れたし、もうだいじょぶだよ
ラファエル<そうか、ならいいんだ
ホッと一息つく。
ガブリエル<それより、ちゃんと手加減してあげた?サマエルと戦ったんでしょ?
ラファエル<あぁ、もちろん・・・でも、ちょっとやりすぎてしまったかな?
ガブリエル<だいじょぶなの?怪我の状態は?
ラファエル<あ・・・それは大丈夫、我々が着ている服は頑丈な作りになっているから少し火傷した程度ですんでいるよ、帰りに送ってい
こうか聞いたけど大丈夫だって言っていたしね
ガブリエルはそれに聞くとホッと一息つく。
ガブリエル<あっ!そだ!急がないと会議始まっちゃうよ!
ラファエル<もうそんな時間か!?
2人は急いで部屋を出る。
聖界:首都オーレッド・マルクト城・会議室・・・
ラファエル<なんとか間に合ったか・・・
会議室の前に到着する、中に入りいつもの座っている席に座る。今日は神がいるらしく、レイラッドは椅子の隣に立っている。
???<皆、よく集まってくれた、感謝するぞ
見た目は60歳男性で、左目が金色の目をしており、右目が七色の少し老けた者が入ってくる。神である。
神<ごほんっ、なにを話すかは皆は知っているだろうが、我々は邪界と戦争に陥ってしまった。それに死命の樹の出現、今の国民の人々は
混乱に陥っている。最初の死命の樹の出現に関してはラファエル殿が排除してくれたようだな、感謝する
笑ってラファエルに言う。
ラファエル<は、お褒めに預かり光栄です
ラファエルは席を立ち、深くお辞儀をする。
神<うむ、座って良いぞ・・・邪界の軍に反撃を行うという案が出ているのだが、邪界は戦争の準備を完璧に済ませてから戦争に出てきた
と私は思う、なので今は防御戦に力をいれると思ってくれたまえ、今はバートレット殿の軍が戦っていると思うのだが、敵がこのまま引い
ていくとは思えん。皆気をつけるように、解散!
会議室一同<ははっ!
その頃、バートレットの軍は・・・
バートレット<よし!このまま追撃を続けろ!敵を全滅させるんだ!
しかしバートレット命令と裏腹に前の方にいる聖天使の部隊の進撃が止まってしまう。
バートレット<どうした?なぜ進撃をやめた!?
聖天使<わかりませ・・・ぐわぁ!!
突然地面から根が生えて聖天使が飲み込まれる。
バートレット<なんだ?・・・うあああ!!
聖界:首都オーレッド・マルクト城(地下巨大ホール)では
ラファエル<諸君、よく集まってくれた。みんなが知っているとおり、邪界の軍は宣戦布告もせずブロンシュの街に住む人々、1億8000
人を皆殺しにした!これは決して許すことはできない!神は防御戦に尽くすようにと言っていたので出陣が出来ないのが残念だが、我々の
軍に指令がきたらお前達の力を見せ付けてやれ!
一同<おーーー!!!
ラファエルは演説が終わると地下ホールから出て行く。
ガブリエル<いつも大変だね^^
ラファエル<仕方がないさ、こうでもしないと士気は下がる一方だ・・・それに、嫌な予感がするしな・・・
そこへ、ミカエルが走ってくる。
ミカエル<はぁ、はぁ・・・大変だ!・・・バートレットの軍が・・・全滅した!
ラファエル<全滅!?本当なのか?
ミカエル<ああ、さっきバートレットの部下の兵が言っていた、間違い無い。
ラファエル<全滅した原因は?
ミカエル<第2の死命の樹だ・・・
ガブリエル<!!・・・
ラファエル<また来たのか!どんなタイプだ?
ミカエル<宙に浮いているタイプらしい、バートレットの部隊は根っこで生命力を奪われ、消滅したそうだ・・・
ラファエル<くっ・・・
ミカエル<レイラッド殿がラファエル・ガブリエル2名はただちにすでに迎撃体制をとっているギドラス殿の援護に行って欲しいというこ
とだ、場所はアーストの街だ。あと邪界の部隊は撤退したようだ、死命の樹だけで侵略するつもりらしい。樹1つだけだが、気をつけろよ?
ラファエル<わかった、ミカエルはどうするんだ?
ミカエル<私は別のところから侵略してくる邪界の部隊の掃討を命じられているから、援護は無理だ・・・
ラファエル<そうか・・・そっちには死命の樹はあるのか?
ミカエル<いや、ない・・・だが、邪界の部隊、約10万いるそうだ。
ラファエル<わかった、レイラッド殿にすぐに向かいますと伝えてくれ。ガブリエル、行くぞ
ガブリエル<う・・・うん
ラファエルとガブリエルは六本の翼を出し、ギドラスの元へ急ぐ。
ギドラス軍:本陣
ギドラス<落ち着いて持ち場につけ!この街に根を張らせるな!{くっ・・・この距離であれほどの大きさか、直径約500メートルという
ところか・・・化け樹め}見た目は23歳男性で髪は紫色の男性が呟く。
そこへラファエル、ガブリエルの2名が到着する。
ラファエル<死命の樹の様子は?
ギドラス<空中を浮遊しつつ、本陣に近づきつつあります。我が軍の先発隊を出陣させましたが・・・全滅しました・・・
ラファエル<わかった・・・ガブリエル、ここの守りは任せる、頼んだぞ
ガブリエル<うん、まかせて
少し笑みを浮かべてそうガブリエルは返事を返すと、祈りを捧げるような体制に入る。
ギドラス<!・・・なにをする気ですか?
ラファエル<見ていればわかる、少し待っていてくれ
そう言うと六本の翼を出し、死命の樹がある方向へと飛んでいく。しばらく進むと空中で止まる。
ラファエル<・・・・・
次の瞬間、太い樹の根がラファエルに向かい飛んでいく。
ギドラス<ラファエル殿!危ない!
しかし、太い樹の根はラファエルの手前で止まる。
ギドラス<あ・・・あれは!?
ガブリエル<聖なる領域・・・セイント・フィールド・・・穢れ無き領域だよ・・・
ガブリエルは祈る体制のまま応える。
死命の樹はセイント・フィールドを貫通しようとツルの数を増やしていく。
ラファエル<ガブリエル!
ガブリエル<・・・はい
ラファエル<よし・・・命を蝕む者よ・・・冥符に落ちよ!
指を鳴らすと死命の樹内部から光が出てきたと思いきや、大爆発が起きる。
ギドラス<!・・・この距離であれほどの爆発を発生させるとは、爆風が来るぞ!全員撤退しろ!
ガブリエル<大丈夫・・・私が、みんなを護るから・・・
次の瞬間、街を包み込むほどの白い光が広がる。
ゴゴオォォォォ!!!(周りが爆風でなにも見えなくなる)
ガブリエル<く・・・うぅ・・・
かなりの広範囲にフィールドを張った負担のせいなのか、ガブリエルの表情が少し歪む。
ギドラス<!・・・大丈夫ですか!?・・・ラファエル殿も大丈夫でしょうか?この爆風ではなにも見えないので
ガブリエルに近寄り、声を掛ける。
ガブリエル<私は大丈夫・・・ラファエルもちゃんと生きているよ?自分の攻撃で自滅なんてする人じゃないから
少し、元気な声で応えてギドラスを安心させる。しばらくすると爆風も収まり、ラファエルの姿が見えてくる、死命の樹の姿はない、消滅
したようだ。不思議なことに、あれほどの爆発があったというのに爆発の穴が見当たらない。
ギドラス<無事でしたか、ラファエル殿!
ラファエル<あぁ、ガブリエルもうフィールドは解・・・!
再びラファエルは後ろを降りかえる。するといくつもの光の束がさっきまで死命の樹があった空の下で集まり始める。
ラファエル<ガブリエル!フィールドはまだ解くな!ギドラス!部隊に迎撃命令を出せ!再生するぞ!{くっ・・・こいつは核(コア)を破壊
しなければ何回も再生するやつなのか!?}
みるみるうちに死命の樹が再生し、姿が現れ始める。
ギドラス<くそ!消滅したんじゃなかったのか!?全軍一斉攻撃!!!攻撃させるな!!!
いくつもの光の球がラファエルを通りすぎ、死命の樹に直撃する。次の瞬間、根を地面に張り始め、いくつもの触手がギドラスの軍に向か
ってくる。
ガブリエル<あぅ!・・・
ラファエル<!・・・くっ、根を張り始めたか!
ガブリエルのフィールドに近づく触手をなるべく減らそうと、ガブリエルに向かってきている触手を燃やし始める。
ギドラス<大丈夫ですか!ガブリエル殿!
ガブリエル<くっ・・・う・・・あ、あなたは私のフィールドで、足止めをくっている触手を・・・こ・・・攻撃して・・・
必死に痛みを耐えて集中し続ける。
ギドラス<わ、わかりました!
急いで持ち場に戻り、ギドラスはフィールドを貫こうとしている触手を迎撃をし始める。
ラファエル<{くそ、もう一度本体を焼き払いたいところだが、ガブリエルがあれでは・・・}
カブリエルの元へ向かい、飛び始める。
しかし、ガブリエルの元へ向かおうとするラファエルにいくつもの触手が向かって飛んでくる。
ラファエル<くっ・・・{ガブリエルの元に行かせない気か?・・・ガブリエルが弱っているのが判るのか?}
ガブリエル<うぅ!・・・
痛みで悲鳴を上げるとガブリエルからはなれた場所のフィールドが解ける。
聖天使A<ギドラス殿!第15部隊がいるところのフィールドの一部が解けたそうです!味方に損害が出ています!
ギドラス<なに!?すぐに向かう!ここはフォルテス、お前にまかせるぞ!
フォルテス<わかりました!(見た目は18歳、髪は緑色の男性が頷いて応える)
ガブリエル<あぁ!・・・くっう・・・あう!・・・{こ・・・このままじゃ・・・みんなが・・・}
あまりの苦痛に堪えられなくなったのか、祈りの体制ではなく、胸元を押さえ、座り込んでいる。
ラファエル<ガブリエル!・・・{くそ、かなり激痛が走っているみたいだ、急がないと}
両手の手のひらから白い剣を出し、侵攻方向を邪魔しているツルを次々と切り倒して行く。
死命の樹がギドラス軍の天使達の命や、根からなにかを吸い取り、ものすごい勢いで成長して行く。
一方ギドラスは・・・
ギドラス<ええい!なんて数だ!斬っても斬っても減る様子がない!
聖天使<第12部隊から伝令!「こちらの場所のフィールドが解けた、援護を求む」です!
ギドラス<私はここの援護で精一杯だ!待機中の第8部隊に行ってもらってくれ!
聖天使<駄目です!第8部隊はすでに隣の第7部隊の援護に着いてしまっています!
ギドラスは聖天使に接近してきたツルを切り落とす。
ギドラス<・・・なに!?そんなにフィールドに穴が開いているのか!?ガブリエル殿は無事なのか?
聖天使<・・・それが
ギドラス<どうしたんだ?
聖天使A<「私は大丈夫だから、他の場所で戦っている人達を助けてやってください」と言っていたので今は・・・
ギドラス<まさか・・・護衛がいないのか!?なにをやっている!彼女の身体の様子がおかしかったのだぞ!?それを知ってて護衛を解い
たのか!すぐに兵を集めて向かわせろ!
聖天使A<は・・・は!!
丁度その頃、ガブリエルは、
ガブリエル<・・・うっ・・・くぅ・・・これ以上・・・みんなを傷つけないで・・・お願い・・・
苦痛に必死に耐えて死命の樹に訴えかけるが、死命の樹は攻撃の手を休めるはずもなかった。
ガブリエル<あぅ!・・・く・・うぅ・・・{・・・もう・・・駄目・・・}
ガブリエルの目の前のフィールドがついに破られ、いくつもの触手がガブリエルに迫る。しかし、ガブリエルに迫っていた触手が瞬く間に
チリとなる、ガブリエルの目の前には2本の剣を持ったラファエルが立っている。
ラファエル<はぁ・・・はぁ・・・なんとか間に合ったか・・・ガブリエル、大丈夫か?
ガブリエル<・・・ラ・・・ラファ・・・エル?・・・ああう!
あまりの痛みで目をつぶっていた目の片方がわずかに開いたが、また激痛が走り、目を閉じる。
ラファエル<!・・・待っていろ、すぐに終わらせる。
ガブリエルをかばうようにガブリエルの前に立つ。するといくつもの触手が飛んでくる。
しかし、セイント・フィールドによって全て受け止められる。
ラファエル<・・・同じことをしても私は倒せんよ
しかし地面から突如触手が現れ、右手に絡み付き、ラファエルの体内に侵食して行く。
ラファエル<私がそう来ると気づいてないとでも思ったか?私は・・・最強の目を持つ者だぞ
目の中には銀色の模様が浮かんでくる。
ラファエル<・・・食らうがいい
右手に絡み付いている触手を左手でつかむと光がツルの中を通っていく。
死命の樹の核が光だし、砕け散ったと思いきや、十字架の形をしたきのこ雲が発生する。その爆風がものすごい勢いで迫ってくる。
ラファエル<・・・・・
しかし次の瞬間、白い光が街を包み込む。
ラファエル<くっ・・・・・
腕の中から触手が出てくる、それを左腕で無理やり引きぬく。その間に爆風が収まり、辺りは静かになる。ラファエルは安全を確認すると
両目の銀色の模様も消える。
ラファエル<やっぱり・・・久しぶりに・・・この力を開放すると・・・身体に・・・負担が・・・
力尽きるようにラファエルの身体が倒れこんだと同時にフィールドが解ける。
ガブリエル<うっ・・・くっ・・・ラ・・・ラファエル
死命の樹は消えたが、まだ残る痛みを押さえながらヨロヨロと立ちあがり、ラファエルに近づいていく。
ガブリエル<はぁ・・・はぁ・・・くっ・・・
ポウゥ・・・(倒れているラファエル前に座り込み、右手を前に出し、白い光がラファエルを包み込んでいく)
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